贈与について、民法では次のように定められています。
「当事者の一方が自己の財産を、無償で相手方に与える意思表示をして、相手側が受託することによって、その効力を生ずる契約である」
つまり、お互いの合意によって、財産を無償で与えることを言います。契約書の有無は定められていないため、基本的には口約束であっても双方の合意があれば成立しますが、トラブル回避のためにも「贈与契約書」を作成しておくほうが無難です。
贈与の種類については、次の3つがあります。
家を建てる子供の資金援助がしたい、自分が死んだときに、相続人の誰かに自分の財産を渡したくない、多額の相続税をとられることなく、自分の財産を妻や子に残したい、等の場合
贈与者と受贈者の双方が生存している場合の贈与を「生前贈与」といいます。これは、将来負担すべき相続税を少しでも減らすための、相続税対策のひとつとして利用されている制度となります。年間110万円の贈与であれば、税金はかかりません。
土地や建物をあげるから、残りの住宅ローンも支払ってほしい、土地を譲るけど、そのうちの一部は駐車場として利用させてほしい、等の場合
受贈者に一定の負担を課す贈与を「負担付贈与」といいます。例えば3億円の土地を贈与する代わりに借入金の1億円を負担させるという場合や、贈与した土地の一部を贈与者が利用したいといった場合の贈与までケースは様々です。
亡くなった人が生前に「私が死んだら誰に財産をあげるか」お互いに確認し合って契約で決めていた場合。
贈与者が死亡した場合に効力が生じる贈与を「死因贈与」といいます。遺言により財産を与えることを「遺贈」といいますが、死因贈与は贈与者と受贈者双方の契約行為であるのに対し、遺贈は被相続人による行為であり、相続人の承諾は不要である点で、死因贈与とは異なります。